小池百合子東京都知事と藤田裕司東京都教育長あてに6月16日付で以下の緊急要望(第10 弾)を行いました。
(第1弾は3月3日、第2弾は3月11日、第3弾は3月26日、第4弾は4月1日、第5弾は4月7日、第6弾は4月10日、第7弾は4月24日、第8弾は5月14日、第9弾は5月19日に提出)

 

東京都知事 小池百合子 様
東京都教育庁 藤田裕司 様

 

昨日、「新型コロナウイルス感染症第二波対策ワーキングチーム」の初会合が開催されました。このワーキングチームでは、第一波の経験や教訓を踏まえ、休業要請などの指標や「東京アラート」に代わる警戒の呼びかけ方法などを検討するとのことですが、まずは、第一波について、第三者からの意見聴取を行うなど、これまでにない視点での多角的な検証を行うことが不可欠です。

 

その際、「新型コロナウイルス感染症」は未知のウイルスであることに鑑み、現時点で、これまでの対策の良し悪しといった評価を目的とすることなく、あくまでも「事実」「実態」「実情」を整理し、今後の対策に活かしていくことが重要です。そこで、下記の通り、要望します。

 

1.東京都における 4 月以降の「超過死亡数」について、過去4年間の平均を12%上回っており、「新型コロナによる死者数を過小評価している可能性は否めない」との有識者の指摘もある。早急に死因等の検証を行い、医師が感染に気づかなかった見逃し事例に加え、感染対策で入院を制限するなどした間接的な影響の実態について明らかにすること。

 

 

2.緊急事態宣言中の医療機関における患者受け入れについて、救急搬送の受け入れ拒否が生じていたとのことである。その要因を検証し、新型コロナ受入れ病院とその他の病院における役割分担を明確にするとともに、消防庁との情報共有や連携を深めること。

 

 

3.新型コロナウイルス感染症電話相談窓口(新型コロナコールセンター)と新型コロナ受診相談窓口 (帰国者・接触者電話相談センター)について、「繰り返し電話をしたが、つながらずに諦めた」という声が数多く寄せられている。第一波において電話がつながらなかった事例がどの程度あったのかを検証し、今後は、入電の総数も計るとともに、相談につながらない方が出ないよう、相談体制の強化を行うこと。

 

 

4.第一波において、PCR 検査にたどり着くまでに多大な時間を要した方がいたとのことで、数時間で症状が激変する新型コロナウイルス感染症において不安な時間を過ごしたとの意見が寄せられている。ピーク時に必要な検査総数を検証し、必要な場合には更なる PCR 検査体制の拡充に向けて、ロボットを活用した24時間体制での非接触 PCR 検査の実施等も含め、必要とする方に一刻も早く検査を行うことのできる体制を整えること。

 

 

5.6月12日に実施された大阪府の専門家会議では、「大阪府内の感染のピークは3月28日ごろであった」との見解が示され、4月5月の外出自粛や休業要請については効果を疑問視する意見も出されている。東京都においては事情が異なるものと推察されるが、外出自粛や休業要請、学校休校や登園自粛などの各種対策の効果について、事実に基づく検証を行うこと。

 

 

6.「東京アラート」の発動やステップの移行について、基準が分かりにくいという指摘がある。そこで、今後の専門家会議やワーキンググループにおいては、検証に必要なデータ、議論や意思決定のプロセスについても出来るだけ詳細に公開すること。7.新型コロナウイルス感染症対策は、各局で連携して対応すべき課題が多く、検証においても組織横断で行えるよう、各局が参加する実務者会議を設置するなど、組織体制の見直しを行うこと。また、今後の本年度事業や予算の見直しに伴い、各局の人員についても柔軟に再配置するとともに、新型コロナウイルス感染症対策局の設置についても検討すること。

 

 

以上

 

20200616_新型コロナウイルス感染症に関する要望(第10弾)