緊急事態宣言による様々な影響とそれに伴うご意見を踏まえ、4月30日付で小池百合子東京都知事と藤田裕司東京都教育長あてに、以下の緊急要望(第16弾)を行いました。

加えて、先日の小池知事の記者会見において更なる補正予算が編成される旨の発表もあったことから、「緊急経済対策5000億円パッケージ」を提案しました。

引き続き、皆様のご意見を踏まえ、建設的な提案を重ねていけるよう取り組んでまいります。

詳しくは、こちらの資料をご覧ください。

20210430_新型コロナ対策に関する緊急要望_無所属東京みらい

20210430_新型コロナ対策「緊急経済対策」_無所属東京みらい

以下、緊急要望全文です。

「新型コロナウイルス感染症対策」に関する緊急要望(第16弾)

3度目の緊急事態宣言が発令され1週間が経とうとしています。全国で2万5千人を越える失業者が出るとの試算も出ており、広く社会経済活動を止める影響は計り知れず、それに対応した事業の継続や暮らしの負担軽減といった支援を行なっていく必要があります。また、検査・療養・医療提供体制について、変異株の爆発的な感染のおそれに対する備えについても、より一層強化する必要があります。加えて、新型コロナウイルス感染症との戦いが1年を越えてなお、これまでの対策の効果検証や客観的な事実に基づく意思決定がなされていないとの声も聞かれます。
このような状況に鑑み、私たち無所属 東京みらいでは、あらゆる方々の暮らしと命を守るために、以下の通り要望いたします。これまで以上に、関係各局が緊密に連携し、適切かつ迅速な対応を図っていただきますようお願いします。

【検査・療養・医療提供体制について】
・最大検査数を増やす取組のみならず、実施検査数を増やすために民間の取組を支援しつつ、その検査データを収集するなどの連携を図ること。
・保健所業務の負担軽減を図るという観点からも民間人材を積極的に採用し、新規陽性者数が増えても積極的疫学調査を止めることのないように取り組むこと。
・宿泊療養施設の運営にあたり、地元住民への丁寧な説明を行うことや療養者の搬送経路や出入り口を工夫するなど、周辺地域に不安や心配が高まらないよう取り組むこと。
・医療の広域連携を行うにあたっては、その病床のみならず人員も含めた連携について、実現に向けた課題を具体的に整理すること。ただし、緊急事態宣言下での広域連携は誤まったメッセージを発することにもなりかねず慎重に行うこと。
・新型コロナワクチン接種に関して、確保量や接種体制に関する地域間格差が生じることのないように必要な支援を講じるとともに司令塔機能を発揮すること。

【外出自粛について】
・外出自粛の影響により、DVや児童虐待といった家族関係の悪化が生じる可能性が高いため、アウトリーチ型の相談支援や一時的な居場所の確保を強化すること。中でも、女性や若者の自殺が増えていることに鑑み、民間支援団体等と連携し、当事者が相談しやすい環境づくりを進めるとともに、SNS相談窓口等を今一度周知すること。

【テレワークの定着について】
・飲食店等への要請同様、各企業のテレワーク率についても業種ごとの基準を定め、一定の強制力をもった要請を行うこと。その際、経営者層の協力を得るために、テレワーク減税などのインセンティブを検討すること。(別紙参照)

【雇用就業対策について】
・更なる解雇や実質的失業状態が増えることが予想されるため、事業者の雇用維持・拡大を促進するための雇用促進減税を検討すること。(別紙参照)
・パートやバイトのシフト減少などの収入減少に苦しむ方々向けに、宿泊療養施設の運営や飲食店等の見回り、保健所のトレイサー班などにおける臨時職員の募集を増やすこと。

【事業者への支援について】
・緊急事態宣言の影響を受ける取引先等の中小事業者に対して、国の月次支援金では売上が前年度比50%以下という要件があるが、それに満たなくとも厳しい経営ー迫られている事業者に対して、段階的な支援の必要を検討すること。
・これまで繰り返してきたイベントの開催制限に加えて、緊急事態宣言による無観客開催や中止・延期の要請により活動の場を失い、多大な損害を被るアーティストや文化芸術関係者が多数存在する。国のJ-LODliveによる支援では対象とならない公演も存在し、都として、更なる活動継続支援や十分な補償を行うこと。また、無観客開催や中止・延期の要請に急には応えられない公演等については今後も感染防止対策の実施状況を確認しつつ、実施の可否について真摯に対応すること。
・文化芸術活動の感染防止対策を実施した上での公演や集客の支援を行うことについて、公演関係者や観客へのPCR検査等の事前検査を支援するよう早急に検討すること。その際、検査を行った公演については有観客での実施を認める方向で検討をすること。
・無観客開催の要請は多くのイベント事業者にとっては休業要請と等しい措置であり、人件費、会場費、設営費、リハーサル費用等の準備段階で発生した支出等も鑑みた支援策を講じること。
・東京ビッグサイト等の東京都の関連施設が休館したことにより発生したイベントの中止または延期などの事態については、その補償を行うなどの支援を講じること。また今後ビッグサイトをはじめ都立文化施設等の利用料減免について検討すること。
・協力金の支給基準については、協力金の趣旨に鑑み、より多くの事業者に協力いただけるよう、また、申請における混乱を生むことの無いよう、給付要件の見直しを図ること。

【若者への支援について】
・緊急事態措置により、アルバイトがなくなるなどの理由により生活に困窮した若者から民間支援団体に相談が殺到していると聞き及んでいる。こうした若者は、保護者との関係に悩みを抱えるなどしており、どこにも相談ができずにいることも多い。そこで、自らの学業や生活を自らの手で支えている若者の生活実態を把握し、必要な支援を講じること。加えて、いじめや虐待などに目的を限定しない、相談できる人が周囲にいない若者にとっても相談しやすいSNS相談窓口の開設を検討すること。
・大学生からは、オンライン授業の長期化により、成長機会の損失だけでなく、学ぶ意欲が低下しているとの訴えもあり、定期的なPCR検査等の導入を支援するなども含めて、感染防止対策を徹底した上で、対面授業が行えるよう大学を支援していくこと。
・子育て世帯への負担が増えていることや若者世代の成長機会が奪われていることに鑑み、若者一人ひとりに届く給付金を検討すること。(別紙参照)

【生活困窮者支援について】
・解雇や実質的失業状態の方々が増えている現状においては、個々の暮らしを直接的に支援する必要がある。例えば、防災備蓄品をフードドライブにマッチングする事業について、食品ロスの削減に意欲的な民間企業と連携するなどして、「食」を通じた支援を拡充すること。(別紙参照)
・フードドライブや子ども食堂、ホームレス支援などを実施する民間事業者に対して、運営費用の一部補助や会場の無料開放などの支援を検討すること。
・東京都が平成31年に行った住宅喪失不安定就労者等の実態調査について、再度調査を行い、今後住居を喪失する可能性のある就労者やネットカフェ等に暮らさざるを得ない人の数を把握すること。
・短期的な住宅確保について、就労支援とセットであるチャレンジネットのみならず、高齢者や障害者、また女性等だれでも繋がることのできる支援を検討すること。

【学校について】
・都内小学校においても変異株によるクラスターが発生したとのことで不安の声も広がっているが、オンライン学習も活用した登校選択制、教職員等の学校関係者への定期的なPCR検査により、個々の不安に寄り添った対応ができるよう取り組むこと。
・緊急事態宣言により児童・生徒たちの部活動を行う施設利用などが停止され、さまざまな活動や大会が中止または延期となっている。一方でオリンピック開催に向けた聖火リレーやさまざまなイベントが行われていることは都民や児童生徒へ協力要請を行う上で理解や納得を得られにくい状況に繋がっている。部活動はこどもの成長機会としても非常に重要なことであり、スポーツをする機会は心身の健康を保つというでも欠かせないものである。そこで、児童生徒の部活動やスポーツ活動を一律に制限するのではなく、感染リスクを抑えて継続することができるような支援策を検討すること。

【緊急事態措置について】
・緊急事態宣言措置による人流抑制効果について検証を行うとともに、これまでの「密」を避ける対策と比べた感染拡大防止効果について検証し、今後の取組に活かすこと。
・東京都だけが緊急事態宣言を発令したことにより、近隣県への人の流れが増大したのではないかとの懸念がある。実態調査を行うとともに一都三県の連携を改めて強化すること。
・都立公園の閉鎖による感染防止や人流抑制の効果について検証した上で、運動不足による高齢者のフレイル進行や遊び場の減少によるこども達の発達への影響や事故の危険性などを総合的に判断して、今後の取組に活かすこと。
・緊急事態宣言により、習い事や発表会なども中止や延期が相次いでおり、未来を担うこども達の成長機会が奪われている事も重く受け止め、今後の取組に活かすこと。
・今回の緊急事態宣言では、保育施設についての言及がないが、感染リスクの不安の中でもこども達の成長や保護者の生活を支える一心で保育施設を継続して運営している事業者がいる。こうした事業者が安全に運営することができるよう感染防止対策にかかる取組を支援すること。
・緊急事態措置やまん延防止等重点措置を要請、解除する基準を明確にし、公表すること。