小池百合子東京都知事と藤田裕司東京都教育長あてに8月5日付で以下の緊急要望(第12弾)を行いました。
(第1弾は3月3日、第2弾は3月11日、第3弾は3月26日、第4弾は4月1日、第5弾は4月7日、第6弾は4月10日、第7弾は4月24日、第8弾は5月14日、第9弾は5月19日、第10弾は6月16日、第11弾は6月19日に提出)

 

東京都知事 小池百合子 様
東京都教育庁 藤田裕司 様

 

 

東京都では、新型コロナウイルス感染症対策の補正予算が可決されましたが、感染拡大は続いており、更なる対策が求められています。
そのような中、専決処分により「東京都新型コロナウイルス感染症対策条例」が改正され、事業者に対しては、感染拡大防止ガイドラインの順守やステッカーの掲示、都民に対しては、ステッカーを掲示した店舗の利用など努力義務とされました。加えて、8月3日より、酒類の提供を行う飲食店やカラオケ店に対する深夜帯の営業を自粛する要請が出されています。
一方で、飲食店の時短営業や休業要請については、経済面での持続可能性や感染拡大防止効果には限界があり、感染症対策の基本に立ち返り「検査・追跡・隔離」を徹底することが最優先であると考えます。

 

 

【検査・追跡・隔離】

 

・保健所における業務体制や役割分担の見直しを進めるとともに、臨時職員の採用を行うなど柔軟な人員配置・体制強化を可能とする予算措置を行い、「検査」の抜本的な拡充を図るとともに、「追跡」の実効性を高めること。

 

・東京都新型コロナウイルス感染症対策条例が改正され、ガイドラインの順守等を努力義務とすることとされたが、都民に対して、「追跡」や「隔離」への更なる協力を求める条例改正を検討すること。加えて、こうした対策に一定の強制力をもたせるための権限強化について、国に法改正を求めること。

 

・大学や研究所等の専門機関と連携し、検査機器や人材等を活かした検査体制の強化を図ること。

 

・高齢者施設の入居者等への戦略的な検査を推進するとのことに加え、医療・介護・障害福祉・保育施設等の従事者や利用者においても、積極的な行政検査を推進すること。

 

・感染者が出た施設等において、濃厚接触者のみならず、施設の従業員や利用者等に対しても積極的に行政による検査を行うことができるように支援すること。なお、各自治体の保健所により「濃厚接触者」と判断される基準が違うという指摘もあり、対象をより広範にするとともに、判断の誤差を小さくするよう情報共有を図ること。

 

・「追跡」の実効性を高めるため、ニューヨークの「トレイサー」を参考に、民間人材を活用し追跡と検査勧奨を行う体制を強化すること。その際、新型コロナウイルス感染症の影響で失業した人を臨時的に採用するなどについても検討すること。

 

・家族内感染を防ぐため、宿泊療養施設の拡充を行うとともに、子どもや介護が必要な家族のいる家庭等についても宿泊施設等での療養が可能となるよう、委託先の調整など特段の配慮を行うこと。

 

【検証・改善】

 

・現場対応を行う福祉保健局等とは別のチームにより、客観的な事実に基づく「対策による効果」や「実情」の検証を適宜行い、対策の有効性を高めていくよう改善を図ること。

 

・感染拡大防止ステッカーを掲示した施設や店舗等において、有効な感染防止対策が実施されているのかを確認する仕組みを構築すること。

 

・施設や店舗等においてクラスターが発生した場合に、適切な感染防止策を講じていたけれど感染があったのか、対策が不十分だったのか等、その原因を明らかにし、業界ガイドラインの改善などにつなげること。

 

・警戒の基準が不明瞭である等の理由から、都民がとるべき行動について混乱が生じていることに鑑み、科学的根拠に基づく、論理的かつ全体を俯瞰した情報発信を行うこと【事業者等への支援】

 

・障害者就労支援施設・高齢者通所施設・放課後等デイサービスなどにおける送迎時の感染予防対策を徹底するよう促すこと。

 

・感染拡大防止ガイドラインの徹底を図るうえでは、在日外国人向けの広報・周知・声がけ等も重要であり、ステッカーや注意喚起を行う掲示物について、多言語対応の支援を行うこと。

 

 

【文化芸術・スポーツ等への支援】

 

・未だ開催基準の規制が続く文化芸術やエンターテインメント、スポーツ等の事業者やライブハウス等の施設運営者について、東京の魅力向上に資する価値に鑑み、さらなる活動継続支援策を講じること。

 

・コンサートや舞台、演劇等の公演開催にあたっては、演者やスタッフが事前に検査を行えるよう積極的に支援を行うこと。

 

 

【学校関係】

 

・3月から5月にかけての休校期間を含む、新型コロナウイルス感染症の影響下での児童生徒の学習状況や生活状況、メンタルヘルス等について実態調査を行った上で、実情に即した学校運営を支援すること。その際、統計調査を専門とする外部有識者等と連携して取り組むこと。

 

・2学期以降、さらなる感染拡大に伴いオンライン学習の必要性が増すことが想定されることから、各自治体や学校の端末などのICT環境の整備やオンライン教育の準備の進捗について確認するとともに必要な支援を講じること。

 

 

【保育関係】

 

・再び登園自粛を要請する自治体が出ている中、第一波での課題を活かし、子どもの心身の健康の維持、在宅勤務の負担軽減のためオンライン保育の実施について好事例の共有などを含め、必要な支援をさらに講じること。

 

 

以上

 

202000805_新型コロナウイルス感染症に関する緊急要望(第12弾)