都は、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するべく、4月25日から5月6日までを「いのちを守る STAY HOME 週間」とするなど、より一層の外出自粛に向けた協力を要請しています。感染拡大防止に向けて、引き続き、予断を許さない状況が続いています。また、今後は、より社会的に弱い立場の方々へのきめ細やかな支援など、刻一刻と状況が変わる中、機を逸することなく、施策を講じていく必要があります。

そこで、無所属 東京みらいでは、以下の通り緊急要小池百合子東京都知事と藤田裕司東京都教育長あてに4月24日付で以下の緊急要望(第7弾)を行いました。
(第1弾は3月3日、第2弾は3月11日、第3弾は3月26日、第4弾は4月1日、第5弾は4月7日、第7弾は4月10日に提出)

 

引き続き、日々、都民のみなさまから寄せられるご意見、声に耳をすませ、次々とうまれてくる課題を把握しながら、都が、行政がなすべきことを議論しながら、建設的な提案につなげていきます。

東京都知事 小池百合子 様
東京都教育庁 藤田裕司 様

 

 

都は、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するべく、4月25日から5月6日までを「いのちを守る STAY HOME週間」とするなど、より一層の外出自粛に向けた協力を要請しています。緊急対策第四弾がとりまとめられましたが、感染拡大防止に向けて、引き続き、予断を許さない状況が続いています。また、今後は、より社会的に弱い立場の方々へのきめ細やかな支援など、刻一刻と状況が変わる中、機を逸することなく、施策を講じていく必要があります。
そこで、以下の通り緊急要望いたしますので、これまで以上に、関係各局が緊密に連携し、適切かつ迅速な対応を図っていただきますようお願いします。

【検査・医療体制について】
・     区市町村が地域外来・検査センター(地域PCRセンター)を設置する際に、防護服や発熱外来テント等の必要資材に対する補助を行うこと。また、補助の詳細を早急に明示し、区市町村のセンター設置を推進すること。

・     都の宿泊施設確保事業では、200室以上を要件としているが、多摩地域の宿泊施設は小規模であることが多く、設置地域にばらつきが出ることが懸念される。区市町村が地域外来検査センター(地域PCRセンター)を設置することに伴い、陽性患者の宿泊施設確保を地域の中で独自に行えるよう、都として財政的支援を行うこと。

・     都は、感染拡大防止にかかる司令塔機能に注力し、区市町村や保健所、医師会や医療機関等との役割分担を明確にした上で、陽性者情報や医療体制、療養施設等の状況についての情報集約と発信に努めること。

・     都の軽症者療養用宿泊施設の運営や保健所におけるサポート業務等については、民間等への委託や都庁及び都立・公社病院OBなどの人材活用を図ること。

・     行政検査においては、医療従事者等に加え、24時間体制での開所が求められている社会福祉施設等の職員についても優先的に行うこと。

 

 

【医療従事者の心身の健康を維持する取組について】
米国医師会による、中国河北省で新型コロナウイルス感染症患者の治療を行う医療従事者への調査によると、対象者の50.4%にうつ状態、44.6%に不安障害、34%に睡眠障害があるという結果が出ている。さらに、民間による、医療機関へのヒアリングでは、寝る間も惜しんで感染予防や診療などの業務にあたっているため、「満足に食事を取れていない」「栄養バランスを考慮した食事が取れていない」などの声がある。そこで、以下の通り要望する。

・     専門職を派遣するなどにより、医療従事者のメンタルヘルスケアを行うこと。

・     民間事業者では、医療従事者に栄養価が高く美味しい食事を届けるマッチングシステムを構築し、そのサポートをしている取組がみられている。今後は、こうした民間事業者と連携するなどして、医療従事者の栄養面でのサポートを行うこと。
【外出自粛の長期化に伴い強化すべき施策について】
・     家にいること自体が、安全ではないということも想定される。DVや児童虐待について、助けを必要としている人たちが適切な支援につながることができるよう、外出自粛要請とあわせて、相談窓口や婦人保護施設等の周知に取り組むこと。

・     期間中も一時保護事業等を継続するとともに、民間婦人保護施設における緊急時の直接保護についても推進すること。さらに今後、メールやSNSによるDV相談についても検討すること。

・     国による特別定額給付金(仮称)等の新型コロナウイルス感染症に係る公的な支援について、住民票や身分証を持たないDV被害者の申請が可能となるよう、東京都配偶者暴力支援センターでDV証明を迅速に発行し、速やかに転出と新たな居住地への転入ができるよう支援すること。

・     児童相談所の児童福祉司による家庭訪問等の業務を強化すること。また、児童・生徒の暮らしの安全と心身の健康を確保するため、教員による電話等での声がけを継続し、適切な支援へつなげていくこと。

・     若年女性や特定妊婦の居場所確保、あるいは宅配型や配布型で困窮家庭につながっていこうとする子ども食堂の運営など、行政の手が行き届かない支援を担っている民間支援団体等へのさらなる支援を講じること。

・     医療やライフライン、保育や高齢者・障害者福祉、生活必需品を扱う店舗などに従事する方々など、感染リスクの中で懸命に働く方々やその家族等に対して、差別や偏見が起きないよう啓発を行うこと。
【障がい者・高齢者施策について】
・     町田市の調査によると、障がい児・者施設の通所状況は通常時の4割から8割との調査がある。同じく高齢者の通所状況も通常時からは著しく減少しているとのことである。そこで、障がい者や高齢者の通所サービスなど、利用者数に応じて報酬を得ている事業所が、収束後に運営を続けていくことができるよう、適切な支援を講じること。

・     テレワークが困難と考えられている障がい者就労について、経済の悪化による雇止めの可能性も出ており、オンラインジョブコーチの導入などにより、障がい者も在宅勤務ができるよう、支援を講じること。

・     就労支援事業所等においては、通常時より業務受注量が低下しており、その運営の継続や利用者の就労支援に支障をきたしている。他自治体で実施されているマスクの作成業務発注などを参考に、公共発注や共同受注の強化を行うなど、より一層の支援を講じること。
【保育施設について】
・     認可、認証、認可外などの施設類型ごとに制度が異なることから、運営事業者や利用者の混乱を生み出している状況に鑑み、分かりやすく制度周知を行うとともに、区市町村が柔軟な対応ができるよう必要な支援を講じること。なお、登園自粛による実績加算等の大幅減少が経営悪化につながらないよう一定の配慮を行うこと。

・     利用児童数が減少している現状に鑑み、職員配置基準の緩和について在宅勤務を認めるなど、柔軟な対応を行うよう国に働きかけること。また、都の実施する各種講習についてオンラインでの実施を検討すること。
【経済活動について】
・     「感染拡大防止協力金」の対象については、感染拡大防止のために、自らの経営が厳しい環境になることを顧みずに、休業をした方々への協力金であると認識している。そこで、協力金の対象については、NPO法人や社団法人、財団法人などについても、その法人格ではなく、事業実態に応じた対応を行うこと。

・     社会生活を維持するうえで必要な施設について、「適切な感染防止対策の協力を要請」するとしているが、マスクや消毒液などの衛生資材が入手困難であり、人との社会的距離を確保することが難しい場合などについては、「感染拡大防止」に協力し、休業を選択する事業者がいる。こういった事業者に対する適切な支援を検討すること。

・     医療機関や障害者・高齢者福祉、保育施設をはじめ、感染リスクの不安もある中で、社会生活を維持するために働いている事業者に対し、謝意を込めた給付金を検討すること。

・     飲食事業者のみならず、スクール系事業やフィットネスのオンライン化など、感染拡大防止の観点から、非対面型サービスへ転換を図ろうとする事業者について、その業種を問わず、飲食事業者と同程度の支援を講じること。

・     寄附によって厳しい環境の事業者や個人を救済しようという動きが現れており、既存のクラウドファンディング支援について、その対象や期間を広げるなどにより、民間同士で資金が循環する仕組みを後押しすること。
【文化芸術について】
・     東京の「文化発信拠点」の維持のため、ライブハウスや劇場などの文化芸術関連施設の無観客ライブの映像配信や動画制作などに関わる費用の補助をすること。

・     文化芸術関連産業の継続的な活動維持のため、オンライン配信のプラットフォーム構築について支援をすること。その際、配信に不慣れな文化芸術関係者に対し、技術的な支援も行うこと。

・     東京都の文化芸術活動に対する寄附の仕組みを構築すること。

・     打撃を受けている文化芸術関係者を一時的に雇用する企業等に対し、助成金の給付などによる支援を検討すること
【感染拡大時における災害対応について】
・     事態が長期化する中、自然災害が重なることが予見され、災害時における感染症対策ではなく、感染拡大時における災害対応を考えていく必要がある。基礎自治体の枠組みを超えた取り組みが必要であり、都の広域行政としてのリーダーシップを発揮し、その体制構築に早急に取り組むこと。
【必要物資の確保・取扱いについて】
・     マスクを始めとする衛生資材等の都に対する寄付や購入について、現場の混乱や感染拡大のリスクを高めることのないよう、窓口の一本化をはかるなどして、負担なく受付け、必要とするところに速やかに届ける仕組みを構築すること。

・     都立・公社病院や感染症指定医療機関以外の民間医療機関、クリニック等における感染拡大防止のため、マスクや防護服、ガウンなどについて、都で必要数を確保し、適切な分配を行うこと。

・     区市町村や学校等が衛生資材等を確保しようとした際に、その入手先が見つからないという事態が発生しないよう、適切な支援を行うこと。

 

 

【都庁の勤務体制と本年度予算について】
都においては、緊急事態宣言後、本庁などに出勤する職員を原則として8割程度削減するとしているが、刻一刻と変化し発生する新たな課題に対応できていない、あるいは一部の職員に負担が偏っている状況も垣間見える。一方で、緊急事態宣言下において不要不急と思われる事業について、通常通りの案内や募集等が行われている。そこで、以下の通り要望する。

・     本年度の事業について、その実施時期を延期、あるいは実施の可否を判断するなどして、全局が一体となって新型コロナウイルス感染症対策に万全の状態であたることができる体制をとること。その際、出勤職員の削減方針についても、適切な見直しを行い、必要な人員を確保すること。

・     令和二年度予算についても、今後、新型コロナウイルス対策に対して必要な予算が確保されるよう、必要な見直しや組み換えを検討すること。

 

 

以上無所属 東京みらい
幹事長 奥澤高広