令和2年度7月補正予算には、医療や介護、障害福祉従事者への慰労金、都独自の上乗せ家賃支援など、必要な施策が盛り込まれており、賛成しました。
ワクチンや特効薬が開発されていない中で、行政に求められていることは、徹底的に感染を抑え込む、その努力を続けることです。各施設や店舗における感染防止対策を促すことはもとより、感染症対策の基本である「検査」「追跡」「隔離」について、人も財源もより一層、集中的に投下していく必要があります。
その意味で、施設利用者に感染者が出た場合は、濃厚接触者だけでなく関係者に幅広く行政検査を行い、無症状感染者も早期に発見することが、あらゆる業界、場面において必要です。さらに、家庭内や同居による感染を防ぐため、宿泊施設等の隔離された場所での療養について、その環境整備や一定の強制力をもった対応を強化すべきと考えます。また、感染拡大の抑え込みに成功している海外の諸都市では、「トレーサー」と呼ばれる民間人材が活躍しています。
保健所における柔軟な人員体制強化も含め、必要な制度等の整備について早急に検討を進めていただくよう求めました。
なお、感染拡大防止対策を講じていても、クラスターが発生してしまう事例もあり、施設や業界等に偏見が生じることのないよう取り組むべきと申し述べました。
児童虐待・DVの相談のオンライン化を進めることは重要ですが、今回の対象は既存の相談者とのことです。オンラインの強みも活かしたアウトリーチ施策の展開について区市町村にさらに働きかけてゆく必要があります。
また、ひとり親支援への給付金は重要ですが、都では食料品等のカタログ配布を行い、独自の支援を行っている区市町村もある中で、偏りがあるとの指摘もあります。セーフティーネットのはり方についても、検討課題とすべきと申し述べておきます。
厚生労働省によると、都内では解雇や雇い止めが6000人に及ぶとのことであり、都では、新たに雇用安定化就業支援事業を500人規模で実施することは重要です。経済状況が悪化しても、適切かつ充分な失業者対策を講じることで、自殺者数の増加を食い止めることができるという調査もあります。
失業者に対し、カウンセリングやマッチングを丁寧に行うことでひとりひとりのニーズに合った支援につなげていくことを期待します。未だ政府によるイベント開催基準の規制が続く、文化、エンターテインメント、スポーツ等の事業者、スタッフ、またライブハウス等の営業については、収益をあげるどころか、事業に取り組むことさえ難しい状況です。さらなる支援策の検討を要望します。
区市町村との共同での取組について、広域行政としてのかじ取りが求められます。他の道府県では、独自に多角的な検証を進めている自治体もあり、都においても、現場対応を行う福祉保健局等とは別に、客観的な事実に基づき、「対策による効果」や「実情」を整理し、今後の対策に活かしていくことを改めて強く要望しました。
今後、厳しさを増す財政を鑑みると、今まで以上に、ひとつひとつの事業の政策効果を意識する必要があり、業務全体を俯瞰した司令塔的役割を果たすことを期待します。最後に、日々の対応に尽力される都庁職員の皆様に心からの感謝と敬意を表するとともに、新型コロナを抑え込んだ先に訪れる、新たな世界をリードする東京をみすえ、前を向いて進んでいただくことを切に願うものです。
無所属 東京みらい
幹事長 奥澤高広